質問: プロテインは少しずつ慣らせば、飲めるようになりますか?
回答: 3つの視点から考える必要があります。
- 量
- アレルギー
- 感染
それぞれ解説していきます。
プロテインと量
食品からたんぱく質だけを抽出したのがプロテインです。
見慣れない分子構造をした、未知の物質ではありません。
例えば、牛乳に含まれるホエイと、ホエイプロテインに含まれるホエイは、分子構造的には同じ物質です。
加水分解ホエイペプチドなどの加工がしてあるものを除けば、原材料の牛乳と変わりません。
牛乳のたんぱく質が摂取できるなら、ホエイプロテインも摂取できるはずです。
味が苦手なら、なるべく人工甘味料などを使っていない製品を選びたいです。
ただし、人工甘味料を使っていないと、どうしても楽しく飲めないという場合は、腸内細菌叢への悪影響なども考慮した上で、限定的に使用するのは良いかもしれません。
その場合は特に食べ物の代わりにプロテインを摂取しているということを忘れずに、プロテインの摂取量は減らしつつ、献立の中のたんぱく質量を、自分の消化力に合わせた方法で満たしていくと良いかもしれません。
人工甘味料の悪影響の研究は数多く存在するので、無視して大量摂取するのも得策でないし、絶対悪と断じて、たんぱく質の摂取が足りない状態を継続して、体調不良を長引かせるのも得策ではありません。
十分な判断材料を集めた上で、個々に判断できると良いと思います。
プロテインとアレルギー
アレルギーは頑張っても慣れることはありません。
牛乳にアレルギーがあるなら、牛乳由来のプロテインではなくて、他の原材料から抽出されたプロテインを選ぶことができます。
この場合、アレルギーの該当物質に当てはまらないプロテインであれば、必要な量を飲めるはずなので、少しずつ慣らす必要はありません。
ただし、特定の種類のプロテインでアレルギーが出るということは、他の種類でも将来、症状が出る可能性があります。
同じ種類のプロテインを使っていると、アレルギーを発症する可能性が高まるので、数種類をローテーションした方が良いかもしれません。
しかし、ライスプロテインなどのいくつかの植物性のプロテインは、銘柄によっては許容範囲以上の有害金属の汚染がある場合があるので、注意が必要です。
SNSで特定のメーカーの商品の汚染状況については語れないので、情報が必要なサロン会員様は、サロン内で聞いてください。 アレルギー自体の改善の方法は、別途考えていく必要があります。
私は以前甲殻アレルギーで、それ以来さまざまな食品添加物でも蕁麻疹が出るようになっていましたが、今は治ってます。
プロテインと感染
ここが最も重要です。
標準治療の検査では見つからず、GI-MAPという特殊な検査でのみ、ピロリ菌が見つかる場合があります。
胃にピロリ菌がいると、たんぱく質の吸収に問題が出る可能性があります。
この状態で一生懸命プロテインを飲もうとしても、未消化なまま腸に流れてしまい、悪玉菌の餌になってしまう可能性が高まります。
この状態では、少しずつ飲んでも慣れる可能性は低いです。
ただし、それまでのたんぱく質摂取量が極端に少なく免疫力が低下していて、ピロリ菌が繁殖しやすい状況の場合。
少しずつプロテインを増やすことで免疫が正常化され、ピロリの影響を減らすことはできるかもしれません。
また、カンジダや寄生虫など、無自覚に感染している何らかの影響で、小腸に炎症が起き、たんぱく質の吸収力が低下している場合があります。
だから、少しずつ飲めば、その内飲めるようになるという根性論は信じないでください。
感染がある場合は、たんぱく質の増やし方より、除菌や駆虫を先に考える必要があります。
今まで数十人の方のGI-MAP検査を拝見しましたが、ピロリ、カンジダ、ジアルジアなどの菌や寄生虫は、結構な割合で見つかります。
自分は関係ないと思わず、管理栄養士が行うような、普通の栄養指導を受けても結果が得られないという場合は、多少コストがかかりますが、GI-MAP検査をした方が良いと思います。
私のサロンでは、数多くの方がGI-MAPの検査を受けており、改善されている方も多数いらっしゃいます。
数年前では対応できなかった症状が、今は改善する時代になっています。
常に知識を更新して、最も良い選択をできるようになりましょう。