これらを読んでいないで栄養の勉強をしているとしたら、ヤバいです。
足し算・引き算ができていないのに、微分・積分を解こうとしているようなものです。
栄養で健康になろうとするには、「栄養素→食品→献立」という翻訳作業が必要です。
今の自分の身体に、どの程度の量の栄養素が必要かというのを、統計的にまとめたのが『日本人の食事摂取基準』です。
それぞれの食品に、どの程度の量の栄養素が含まれるのかをまとめたのが『日本食品標準成分表』です。
これらを元に『栄養価計算』を行い、『献立』を決め、『調理』をすると必要な栄養素が摂れる食事が作れます。
まとめると
- 『日本人の食事摂取基準』で自分に必要な各栄養素の量を把握する。
- 『日本食品標準成分表』で各食品の栄養素の含有量を把握する。
- 『栄養価計算』を行い、1食に必要な各栄養素を割り出す。
- 1食あたりの各栄養素が、一定期間で過不足無く摂取できるための『献立』を考える。
- プランを立てた献立を美味しく食べられるように『調理』をする。
これ栄養で健康になるための基本です。
今回は、これらを実現するために必要な書籍を紹介します。
栄養を学ぶための必読本
栄養素の通になる 第5版
統計的に、どのような栄養摂取をすると、各栄養素に過不足が無いかを紹介している、『日本人の食事摂取基準』を元に、わかりやすく書かれたものです。
日本人の食事摂取基準の原文を正確に理解するのは、訓練を積んでいない人には困難ですが、こちらの書籍は誰にでもわかりやすく書かれています。
辞書のように使い、栄養素のことで気になることがある度に開くといった使い方をして頂きたい書籍です。
八訂食品成分表2023
各食品に、各栄養素がどの程度ふくまれているかが記載されています。
例えば、ドリンクにビタミンCがレモン何個分という表現が書いてありますが、その根拠がこの食品成分表です。
ちなみに、レモン果汁100gには50mgのビタミンCが含まれるという記載があります。
ドリンクの『レモン○個分』の表現の1個あたりは
120g(レモン1個重量)×30%(果汁分)×50mg(Ⅴ.C)/100g(果汁) ≒ 20mg
から、1個あたり20mgという計算になります。
このように、各食品ごとの栄養素を知るのに、この本が必要となります。
栄養価計算から献立作りまでの具体的な方法は良書が無いので、私のセミナーを参考にされると良いかと思います。
栄養素の数字を献立に落とし込むという感覚が、誰でもわかるようになります。
献立については、クックパッドや、ChatGPTを使うと、たくさんの献立を見ることができます。
食べてみたい献立を見つけて、調理をしてみましょう。
便利なツール:クックパッド
クックパッドは、一般のユーザーが紹介したレシピを紹介したサイトです。
たまに食中毒の可能性があるようなレシピも載っているので、気をつけましょう。
中までしっかり火が通らない可能性があるレシピや、一般のスーパーで手に入らない食材を使ったレシピは参考にしないでください。
クックパッドの裏ワザとして、Googleの検索画面で『○○ つくれぽ1位』と、○○の所に料理名を入れると、人気のメニューが検索出来ることがあります。
クックパッドは有料版でないと、人気のレシピが見れないのですが、この方法だと人気のレシピを見つけられる可能性があります。・
サイトが気に入ったら、有料登録してみましょう。
月々308円で、人気のレシピが見放題なので、料理本を買うより安上がりです。
知りたい料理がある程度溜まっていれば、いっきに検索して、翌月退会するという手もあります。
『焼肉のたれ つくれぽ1位』で表示されるレシピは、大変気に入っています。
便利なツール:ChatGPT
ChatGPTは、最近流行りの人工知能による会話生成サイトです。
何か聞くと、世界中のサイトから情報を集めて、自然な言葉で返事をしてくれます。
例えば、「30代女性が1日分のマグネシウムを摂取できる献立を教えて。 各献立には、マグネシウムの含有量をmgで記載して」
と入力すると、こんな献立を提案してくれます。
ChatGPTで献立を決めて、クックパッドで作り方を調べるといった使い方も良いと思います。
ただし、ChatGPTはよく嘘をつきます。
食品の栄養素の含有量など、実際の数値をある程度知っていないと、嘘をつかれたことに気が付かないので、ある程度の前提知識が必要です。
各食品の含有量が何となくわかるようになるまで、何度も食品成分表を見ることで、AIに嘘をつかれたときに違和感を覚える感覚を養うことができます。
最後に、調理の方法についてです。
家庭料理技能検定公式ガイド3級改訂版
調理は感覚で行うものではなく、体系化された理論を元に行うものです。
それを感覚で行う人は、上手にできなかったり、作る度に違うものが出来上がるのです。
この本は、調理の基本となる技術が体系化されており、読んでいて美しさを感じます。
先人の知恵が凝縮しており、日本人として生まれて、日本の家庭料理が食べられる幸せを感じることができます。
今回は栄養の基本的な書籍として、これだけは読んで欲しい3冊と、受けて欲しい1セミナーを紹介しました。
これらは基本的な技術でありながら、分子栄養学カウンセラーを含めて、ほとんどの人ができていません。
しかし、栄養のプロである管理栄養士は仕事で当たり前のように行う技術です。
だから病院や介護施設、学校などで栄養素の過不足がほとんど起きる心配の無い献立を食べる事ができるのです。
逆に言うと、これらの技術が無いまま、自己流で何かを用意して食べるので、栄養素の過不足が起きて、栄養に関わる病気になるのです。
分子栄養学でややこしい理屈を覚える前に、まずは毎日の食事を変える技術から身につけていきましょう。
今回のまとめ
栄養バランスの良い食事を用意するために必要な知識が得られる本とセミナー
- 栄養素の通になる 第5版
- 八訂食品成分表2023
- だれでも簡単!栄養価計算をした、献立の作り方セミナー
- 家庭料理技能検定公式ガイド3級改訂版
↓パート2につづく