アトピーやアレルギーの人に嫌われがちなヒスタミンですが、頭の回転を良くする働きがあります。
正確に言うと、ヒスタミンH3受容体と作業記憶が関係しているということです。
EJNMMI Res. 2018 Jun 14;8(1):48. doi
H1受容体はアレルギー反応に関わります。
H2受容体は胃酸の分泌に関わります。
だからH2ブロッカーの胃薬を飲むと、胃酸を抑制することができます。
H3の受容体がヒスタミンにより刺激されると、数学の問題を解きやすくなったり、読書がスムーズにできたり、会話が流暢になります。
ヒスタミンに弱い人は、ハイスペックな場合が多いのです。
しかし問題もあります。
それは、炎症により増えるキヌレン酸です。
この物質は、統合失調症やアルツハイマー病との関連も指摘されています。
つまりキヌレン酸が多くなると、正常な思考をすることが難しくなるのです。
マウスの実験で意図的にキヌレン酸を増やす場合は、腹腔内に悪玉菌の菌体物質(LPS)を注入するのです。
人工的にリーキガットの状態を作り出すと、キヌレン酸が増えるということです。
だからリーキーガットがある状態では、まともな思考ができなくなります。
ヒスタミンは腸内も荒らすので、ヒスタミン不耐症の人は、どうしてもリーキーガットになりがちです。
するとどうなるでしょうか?
ヒスタミン不耐症の人の特徴
作業記憶が人より優れていて、学習能力が高く、コミュニケーションの能力が高くなります。
しかし炎症によりキノリン酸が増えて、まともな思考がしにくくなります。
そうすると、高速で脱線した暴走機関車となります。
一見頭が良いはずなのに、不思議な主張をし続けている人を見かけることがあります。
こういった人は、まずはヒスタミンのレベルを落としたり、リーキーガットの対策をする必要があります。
そしてキヌレン酸の作用によりNMDA受容体が過活性しないようにする対策も必要です。
それができると、天性の頭の回転の良さを持ちながら、的確な行動が取れるようになります。
花粉症などのアレルギー、アトピーなどの体質の方は、今回の話を覚えておいてください。
これらのアプローチで人生が劇的に好転するはずです。