断食についてまとめます

断食についてまとめます

断食は一定期間食事を摂らないという健康法で、その方法は多岐に渡ります。

例として、以下のような方法があります。

  • 16時間だけ食べないで、他は自由に食べる
  • 専用の酵素ドリンクとサプリで数日過ごす
  • プロテインのみで数日過ごす
  • 水のみで数日過ごす

現在メジャーなのは糖質を含んだドリンクを使用する方法で、少量・頻回の糖質の摂取により血糖値を安定させやすいメリットがあります。

プロテインのみという方法は、消化器官を休ませるというメリットはあるかもしれませんが、以下のようなデメリットがあります。

  • 悪玉菌が増えやすい
  • 低血糖になりやすい
  • 小胞体ストレスを無くす効果が得られにくい (タンパク質の合成を高める効果が得にくい)

水のみという方法も低血糖は起きやすく、続けにくいというデメリットはありますが、消化器官を休ませる効果は期待できます。

外から摂取できる栄養素はゼロになるので、完全に筋肉と脂肪を分解してエネルギーを作るという能力に依存する方法となります。

目次

断食への的外れな指摘

それぞれの方法は身体の中で起きる状態が全く異なるのですが、断食のアンチは一括りに「断食に意味はない・危険だ」などと発言します。

よくある的外れな非難は、以下の3つだと思います。

①低血糖を起こして具合が悪くなる。

また、低血糖から派生するホルモンバランスの不快な変化に対しての言及 。

これは、専用の断食ドリンクを使用すれば解決できる問題です。

過去に専用のドリンクで断食しても上手くいかなかった方は、ドリンクの量を増やせば行えた可能性が高いです。

指導者によっては使用量に上限を設けていることがありますが、狙いによっては通常よりも多い量で断食を行ってもメリットを得られると思います。

②腸内細菌が減るので良くない

これはその通りなのですが、一度腸内細菌を減らしてから、良い菌を定着させるという狙いがあるので、減りっぱなしではありません。

断食後に適切なプロバイオティクスや食生活を続けていないと享受できないメリットではありますが、的確な指導を受けて行えば、腸内細菌が一時的に減るというのは、メリットを享受するための過程だと思われます。

③胆石ができる

これは適量の水さえ飲まない16時間断食に対する指摘だと思います。

水分摂取もせずに絶食すれば、胆嚢に胆汁が溜まったまま出る機会を失い、胆石のリスクが高くなると思います。

しかし指導を受けて行う断食では、十分な水分を摂取しているため、そのリスクは考えられません。

更に、数ヶ月に1度、数日間の断食を行ったからといって不可逆な胆石が出来上がるとは思えません。

普段の食生活や遺伝的要因の方が影響が大きいと思います。

コレステロールの値を適切に保てるようにカロリーやコレステロールの摂取量を調整する方が先に気にすることだと思います。

専用ドリンクについて

専用ドリンクは、野草、野菜、果物、砂糖などを1年間程度熟成させ、有益な細菌によって低分子化させたものです。

その原液に、独自の栄養素を添加して、それぞれのブランドの専用ドリンクが出来上がります。

だからドリンクを選ぶ際は、専用原液の製造元と、添加した栄養素の量を調べると品質の良い物と巡り会えると思います。

中には熟成させずに果糖ぶどう糖液糖で糖分を足したり、原液を使用しても、ごく僅かで、糖質を足して誤魔化している製品もあるようです。

成分表示を見て、果糖ぶどう糖液糖などの異性化糖の名称が入っていれば、それは避けるべきです。

よくある勘違いとして、白砂糖や異性化糖自体が身体に悪いので、避けるべきだというものがありますが、それは違います。

長期間熟成した原液に入っているのも、ブドウ糖と果糖なので、果糖ぶどう糖液糖と分子構造的には変わりません。

原液をケチる問題は他にあります。

乳酸菌などが長期間熟成すると、善玉菌のLPS(リポポリサッカロイド)という健康効果が得られる物質が産生されます。

これは腸管に吸収されると、免疫が異物と判断して免疫細胞の合成が高まるという効果が期待できます。

原液ではなく異性化糖や砂糖で糖質を足してしまうと、善玉菌のLPSを補給して腸管免疫を強化するというメリットが得られなくなります。

更に、後から添加する砂糖や異性化糖の割合を増やすと、野草、野菜、果物などのポリフェノール類の補給も行えなくなるので、抗酸化成分も得られなくなります。

また、原液の材料となる砂糖や植物成分は細菌によって低分子化されるので、消化の負担がかかりにくいのと、たんぱく質は完全にアミノ酸まで分解されるので、食物アレルギーの症状が出にくいというメリットもあります。

これは保証できるお話ではないので、自己判断でお願いしたいのですが、原液の原料の植物にはアレルギーがあっても、熟成した原液ではアレルギー症状が出ないという人もいます。

この方法は、森永や明治などの大手の乳飲料メーカーも製品に行っています。

平均分子量を小さくすることで、アレルギーを発症させないミルクがあります。

例えば森永乳業のニューMA-1という製品は、平均分子量300、最大分子量1,000となっています。

アレルギー症状が現れるたんぱく質の大きさは、平均分子量10,000から70,000Daと言われています。

長期間熟成させた高品質な原液であれば、アレルギー症状が現れるたんぱく質の下限である10,000Daよりも大幅に小さくなっているはずなので、アレルギー症状が出ないのも納得できます。

繰り返しますが、特定のメーカーのドリンクであれば絶対にアレルギー症状が現れないという保証はできませんので、ご自分で製造方法や原料を調べて納得がいった場合にのみご利用ください。

原液を製造するメーカーの中には、熟成期間が短いものがあります。

そうした製品は10,000Da以上のたんぱく質が残存しており、食物アレルギーを発症する可能性があります。

原液の材料となる植物にアレルギーが無ければ気にしなくても良いのですが、そういった体質の方が断食をする際は知っておいてほしい知識です。

実際使ってみてどのような体感があるかというお話ですが、高品質なものと、そうでないものを飲み比べてみるとわかります。

私が普段飲んでいるドリンクは、ヴィーナスレッドプレミアという製品です。

過去にメジャーだった他のどのドリンクよりも体感が良く、断食を楽に行えます。

昔の低品質なドリンクでしか断食をしたことが無いという人は、最新のドリンクでも試して頂きたいと思います。

きっと体感の違いに驚くはずです。

断食をする理由

そもそも何で断食をするのかも、考えてみましょう。

お金はかかるし、多少の空腹感はあるのに、何でわざわざ断食をするのでしょう?

おそらく大半の人が深刻な健康の問題を抱えていて、それを解決するために行うのだと思います。

しかし指導者側としては、例え改善したという症例がたくさんあったとしても、改善を謳って募集をかけることはできません。

医師法・薬機法・景品表示法に抵触するからです。

だから断食に挑む際は、断食で身体に起きることを、身体の中の分子レベルで理解して、自分の身体でもそれが再現できるという確信を持ってから行うべきだと思います。

何も考えずに、指導を受ければ症状が治るんだと軽い気持ちで行って、症状が改善しないで不満を持つということが無いようにしたいです。

私は甲殻類アレルギーのアナフィラキシーに始まり、あらゆる食品添加物でも蕁麻疹が出る身体になってしまったことが断食を行った理由です。

たった1度の断食で症状が出なくなりました。

それからは、かなりの不摂生をすれば軽く症状が出ますが、どの程度外食が続けば症状が出るかがわかったので、不安無く過ごせるようになりました。

これは仕組みのお話で、誰にでも同じことが起きるという内容ではないのですが、断食によって身体には以下のようなことが起きると思います。

  • 脂質の代謝が高まりアラキドン酸の消費が増える
  • 大量の抗酸化物質を摂取できる
  • 腸管を休ませることができる
  • 肝臓の解毒機能が高まる
  • 小胞体ストレスの解消

植物性の脂質に多く含まれるリノール酸は体内でアラキドン酸となります。

動物性の脂質にはそれ自体にアラキドン酸が多く含まれます。

断食中には脂質代謝が亢進するので、普段身体に溜めてしまったアラキドン酸を消費する機会になると思います。

アラキドン酸は体内で炎症性物質を作る原料となるので、それが消費されると慢性炎症が起きにくい状態が作れるのだと思います。

だから断食が終わったからといって、ファーストフードやサラダオイル、動物性の脂質が多い肉を食べ過ぎていたら、せっかくの断食の効果が台無しになるかもしれません。

ドリンクの抗酸化成分について

次にドリンクの抗酸化成分についてです。

大量の抗酸化物質は、ドリンク原液の材料となる植物から得られます。

ドリンクには多数の植物が使われているので、普段の食事では到底不可能な種類と量のポリフェノール類が摂取できると思われます。

また、ポリフェノールは腸内細菌によって代謝されて吸収されるので、腸内の善玉菌の餌にもなります。

ドリンクの原液に含まれるポリフェノールは、単体のオリゴ糖や水溶性食物繊維のサプリでは得られない、菌の多様性を育む餌となるのだと思います。

そして断食の一番のメリットだと思うのが、消化管を休ませることです。

大抵の人は1日2~3回の食事で胃腸に負担をかけています。

それを休ませることができれば、腸管を修復して綺麗な状態にすることができます。

断食中は赤ちゃんのような繊細な腸管になるのですが、そこから適切な回復食を行うことで、腸管の修復が行われて、以前より正常な腸になるのだと思います。

肝臓の解毒機能について

そして、肝臓の解毒機能についてです。

異物を細胞の外に出して、排泄する機能に関わる遺伝子の発現が、カロリーを制限した際に増えるという研究があるので、おそらく断食中にも解毒機能は向上しています。

有害金属や化学物質は細胞の中のエネルギーを作る経路を阻害することが知られています。

断食をすることで、それらの経路が正常に働くことに繋がり、食べた物がエネルギーになるという大切な流れを、スムーズにすることができるのだと思われます。

小胞体ストレスの開放について

最後に小胞体ストレスの開放についても解説します。

全身の細胞では、食べたたんぱく質を消化したアミノ酸を材料にして、新しいたんぱく質を作り続けています。

たんぱく質を作っていると小胞体ストレスというものが溜まり、たんぱく質合成の機能が低下すると言われています。

カロリー制限を行うと、小胞体ストレスが開放されて、正常にたんぱく質が作られるとされています。

これらが断食から理論上得られるメリットです。

断食指導者の危険性

これを言うとまた、一部の人から怒られそうなのですが、公共の利益を優先させたいのでハッキリ言います。

断食の指導者の資格は、ファスティングマイスター学院という所で取得するのが一般的です。

しかしこの資格団体の教材が、かなり偏った内容であり、おそらく管理栄養士であれば首をかしげたくなるような内容です。

しかも、素人がお金を払えば、ごく短期間で資格を取得できるので、管理栄養士が学ぶような基本的な栄養学の知識が無くても取得できてしまいます。

当たり前の栄養の知識も無いで、偏った独自の知識を習得しただけにも関わらず、自分は十分な知識を持って断食指導を行えているという勘違いをしているのが、大半の断食指導者です。

例えば、ファスティングマイスターの指導ではカロリーの話は出てきません。

だから、断食指導でカロリー計算の話をされたことは無い人が大半だと思います。

例えば、普段から少食の人で毎日平均1,000kcalしか摂取していない人が、断食をしたいと言って指導者に申し込んだとします。

このとき指導者は口頭やアンケートで、簡単な食生活や健康状態のヒヤリングのみを行い、断食をさせてしまう可能性があります。

普段からカロリーが足りないのに、断食中に更にカロリーをカロリー減らせば、飢餓からのあらゆる健康の問題が出やすくなります。

頑張っても太るためのカロリーを摂取できず、放っておくと痩せてしまうという体質の人が一定数います。

なぜか、そうした人ほど断食に惹かれてチャレンジしたくなるのです。

例えば、少食のアトピーの人がいたとします。

断食直後は先述の複数のメリットが重なり、症状が収まり喜びます。

そして指導者に写真付きでビフォーアフターを送り、宣伝材料として使われることになります。

しかし半年・1年と経ちながら、断食の際のアンダーカロリーのダメージが堪えるようになってきます。

体力の低下や血糖値の不安定など、病名は付かないが生活の質が著しく低下するという事象が時間を置いて見られるのです。

その頃には断食との因果関係もわからないし、指導者に問い合わせても契約が終わっているので詳しい指導はできないとう、素っ気ない返事を貰うだけです。

その人には断食時に減った体重が、1年かけても断食前の状態に戻せないという事実だけが残ります。

普段から放っておくと太ってしまう人が、一般的な断食指導を受けてもリスクは少ないと思うのですが、普段から痩せやすい人は、一般的な方法だと問題が発生しやすいと思います。

私の指導では、段階的に断食を行うので、どのような状態の人でも安全に行う方法を採用しています。

商売敵になるので断食批判をする人や、以前に不適切な方法で健康を害したので断食が嫌いになる人が居るようです。

しかし、それは断食が悪いのではなく、知識が足りないことが問題なのです。

今回の投稿で、少しでも断食の誤解が解けて、健康効果を享受できる人が増えれば幸いです。

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