まさかその情報、三石理論が根拠じゃないよね?
分子栄養学は多くの分派があると先日言ったよね?
自分が根拠としている健康情報は誰が発言したものなのか。
それを知らないでネットの噂を信じて大丈夫かな?
常識をぶち壊す準備ができた人はご覧ください
分子栄養学の分派について
分子栄養学の起源はライナス・ポーリング博士です。
そこから日本国内だと
- 分子栄養学の各団体
- 三石巌の三石理論
- 藤川徳美の藤川理論
などが独自進化している状況です。
中でも、今回は三石巌先生の三石理論についてお話します。
結果だけ言うと、三石理論を勉強する必要はありません。
以前、藤川理論を解説するnoteを書きましたが、それと同じくらい誤りがあります。
なぜ誤りが多いのか解説します。
三石理論の欠点
三石巌先生自体は天才だと思います。
しかし、2023年の現在において参考にする情報でもないと思います。
例えば、血糖値に関する発言が、私の知る限り見当たりません。
血糖値と体調の関係について広めたのは分子栄養学実践講座であり、もっと言うと実践講座のK先生の功績です。
低血糖や、その原因の副腎疲労などの概念が無いのが1つめの問題です。
2つ目の問題は、実際の個体差を反映できない栄養指導しかできていない点です。
カスケード理論などで、個人によって必要な栄養素の量が違うという概念を提案したのは画期的です。
しかし遺伝子の変異による、特定の食品・物質の除去などには触れられていないまま「こうあるべき」という結論に至っている印象です。
3つ目の問題は想像の産物ということです。
統計的な調査をしたわけではなく、天才の頭の中で「ヒトの身体の中はこうなってるから、こうしたら良くなるだろう」と想像したのが三石理論です。
個体差に対して、より適切な対応を目指すのが分子栄養学です。
したがって、統計的な根拠を得ることを目指すのがナンセンスなのでが、明確に誤りであるとわかる部分もあります。
管理栄養士や栄養疫学の人たちは、この統計的なデータが無いという部分に分子栄養学に対しての嫌悪感を持ちます。
ヒトの身体で起きる多くの反応に対して個別に対応しているのに、統計的なデータが得られるはずがありません。
標準治療や栄養価計算で改善しなかった人が分子栄養学で改善したという事実があるだけです。
三石理論の欠点をまとめると
- 血糖値や副腎疲労の概念が無い
- 個体差の反映を栄養素を多く摂るという側面でしか実践できていない
- 天才の机上の空論である
三石理論に欠点が生まれる理由
これには、情報ができるまでの成り立ちを考える必要があります。
どんな天才であろうとも、既にある情報を頭の中で組み立てて考えます。
だから昔は無かった概念を、ゼロから生み出して思考することはできません。
三石巌先生は1901生~1997年没とWIKIに記されています。
1997年以降に発表された情報にはアクセスできない状況で、思考するしかなかったのです。
医学も情報も数年前の情報が古くなる場合が多々あります。
ヒトの遺伝子の解析が終了したのが2003年です。
他にも画期的な医療の進歩がいくつもあります。
完全に存在しなかった情報だけではなく、血糖値や副腎疲労の概念など当時は浸透していなかった情報を踏まえて思考することは不可能です。
少し栄養から離れた例を出してわかりやすくしてみましょう。
化学と錬金術
昔錬金術という学問がありました。
金でない物質から金を作ろうとする試みです。
結局金でないものから金は作れなかったのですが、その過程でたくさんの発見がありました。
- 多くの実験器具の考案
- アルコール、硫黄、水銀などの精製
これらの功績が錬金術にはあるので、錬金術には歴史的な価値があります。
でも現代の化学の研究の現場で「錬金術によれば…」などと錬金術で根拠を示そうとしたら、頭を疑われるでしょう。
それと同じなのが、三石理論と分子栄養学の関係です。
分子栄養学を学ぼうとしているのに、断片的に三石理論を根拠にしている人が結構います。
プロ野球選手のダルビッシュさんやボディービルダーの山本義徳さんは、三石理論の影響をかなり受けている印象です。
おそらくそれは御本人たちも認めているでしょう。
栄養について勉強しようとしている人たちでさえそうなのだから、SNSで噂程度の情報を集めている人はなおさらです。
そもそも自分が信じている情報が、三石理論を根拠にしていると気がついていないこともあります。
三石先生の著書を読むと多くの指摘が思いつくのですが、1つだけ例に挙げます。
間違った情報を信じると不健康になる
おそらく三石理論が根拠だと思う情報があります。
このソースが完全に見つからなかったので、違っていたらすみません。
もし正確なソースをご存知の方がいらっしゃったら教えてください。
コメント欄で、一番最初に検証可能な情報源を示してくださった方に謝礼をお支払いします。
(ソースが三石巌先生の発言ではなかった場合に限る)
では本題に入ります。
ビタミンCを大量に摂取するとフェントン反応が起きるので、それを防止するためにビタミンCを摂取するならビタミンEを同時に摂取すべきだというお話があります。
(※フェントン反応:過酸化水素(H₂O₂)と遊離鉄により有毒なヒドロキシルラジカル(OH)生成する化学反応)
これは理論上起きるとか、試験管の試験だと起こる場合があるという程度のことです。
実際にヒトの身体で起きたという研究はありません。
これを信じてビタミンEを過剰摂取すると、心疾患のリスクが上がります。
ビタミンEの過剰摂取で心疾患のリスクが上昇するのは、統計的に明確で機序も判明しています。
分子栄養学全体でもよくある話なのですが、誰かが机上の空論を思いつき、それを広めた結果、想定していない健康リスクが起きるという場合があります。
だから全く経験則や統計データが無い状態で、誰かの机上の空論を信じるのは危ないのですね。
度々お話ししていますが、これらに違和感を覚えるためには、他のジャンルの勉強が必要になります。
分子栄養学の別の分派や、厚生労働省の栄養学などがそれに当たります。
できるだけ幅広い観点を持つことで信者化を防ぎ、不要な健康リスクを排除できます。
そして確信を持って健康になる確立を高めることができます。
この他にも大量に指摘したい部分がありますが、藤川理論のnoteのように数万文字になってしまいそうなので、また別の機会に行います。
本当は私が具体例を示すのではなく、あなたがさまざまなジャンルを勉強して違和感に気がついて頂くのがベストです。
でも、「これは本当なの?」という疑問がありましたら、三石理論に限らずコメント欄で聞いてください。
即レスは難しいですが、ある程度まとまった段階で別の場所で回答させて頂きます。
まとめ
これだけは実践しよう
- 自分が信じようとしている情報の検証
(誰がどんな根拠で発言した内容なのか) - 幅広い勉強
(リスクを低下させてメリットを最大化させる)
謝罪
三石巌先生のお名前で商売をされている方にお邪魔になってしまう投稿でしたらすみません。
そういった意図は無く公共の利益のための発言とご理解ください。
誤っている部分、名誉や売上に損害が被る部分がありましたら記事を削除しますのでコメント欄で教えてください。
誰かを貶めようとする投稿ではありません。
どんな情報でも古くなります。
過去の積み重ねが今に繋がります。
過去の偉人に敬意を持ち、最新の情報で健康になることを目指したいと思います。
いつも最後まで読んで頂きありがとうございます。