こちらの記事では、一般的に知られる食物アレルギーとは異なる「仮性アレルゲン」について説明します。
1. 仮性アレルゲンと食物アレルギーの違い
食物アレルギーは、特定の食物成分に対する免疫反応により症状が現れるものです。
一方、仮性アレルゲンは、通常はアレルゲンとしての特性を持たない物質が、ある状況や条件下で一時的にアレルギー反応を引き起こすものを指します。
これは一時的なもので、一般的なアレルギーとは異なる特徴があります。
2. 馴染みの深い食品と仮性アレルゲン
例えば、バナナやキウイ、そして夏の味覚として人気のトマト。
これらの食品には、一部の人々に一時的なアレルギー症状を引き起こす可能性がある成分が含まれています。
しかし、これらの反応は一時的であり、食品そのものが悪いわけではありません。
3. 仮性アレルゲンによる症状
仮性アレルゲンによる症状は、皮膚のかゆみや発疹、腫れ、腹痛や下痢など、食物アレルギーと似たような症状を呈することが多いです。
しかし、これらの症状はあくまで一時的であり、原因となる食品を避けることで、症状の軽減や回避が期待できます。
4. 炎症反応とコルチゾール分泌の関係
仮性アレルゲンによる反応は、体内での炎症反応と密接に関係しています。
この炎症反応を抑える役割を持つのがコルチゾールというホルモンです。
仮性アレルゲンの摂取によって炎症反応が過剰になると、コルチゾールの分泌も増加し、体にさまざまな影響を及ぼすことが考えられます。
5. 少量の果物の摂取と血糖値の急上昇
果物を食べると、通常は急上昇するはずの無い糖質の摂取量で、血糖値が急上昇する人がいます。
果物には主に、デンプン、ショ糖、果糖、ブドウ糖のなどの糖質が含まれます。
バナナ1本であれば、ブドウ糖の合計は9.855g程度になります。(たしかこの資料を作る時に八訂食品成分表2022を参考にしました)
10g以下のでんぷんとブドウ糖の摂取で急上昇する場合もありますが、そうでない場合も考えられます。
それが仮性アレルギーです。
アレルギー反応により炎症を抑えようとしてコルチゾールが大量に分泌されると、血糖値が上昇すると考えられます。
他の糖質なら血糖値が跳ね上がらないのに特定の果物などで跳ね上がるなら、それは摂取した糖質由来の血糖値の上昇ではなく、コルチゾール由来のものかもしれません。
終わりに
このように、意外な理由で血糖値が上がる場合も想定されます。
「自分は少しの糖質でも血糖値が上がるから、糖質を避けよう」と思ってしまうと、カロリーが足りず筋肉が細くなり、ますます血糖値が上がりやすくなるかもしれません。
体調不良の原因は以外な見落としがあるかもしれないので、基本的な医学、生化学、生理学、解剖学、スポーツ栄養学、栄養学などの勉強を続けていきましょう。
しかし、何らかの症状が出た場合や、何か気になる点や疑問があれば、専門医にご相談ください。