残酷な分子栄養学

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分子栄養学の考え方

分子栄養学では、生化学的な予測から摂取すべき栄養素を割り出します。

例えばALTという酵素にはB6が使われるから、ALTが低いならB6を足すなどです。

しかし実際にALTが低い人にB6のサプリを飲ませてみると、ALTの数値が上がってこないということが頻発しました。

生化学的な予測は妥当であるはずなのに、現実がそれに伴ってこなかったのです。

ALTを例に

ALTは糖新生といって、糖でないものから糖を作る時に使います。

具体的に言うと筋肉を分解して得たアラニンを、肝臓でピルビン酸にして、ピルビン酸がブドウ糖になります。

筋肉→アラニン→ピルビン酸→ブドウ糖

という流れです。

この流れは、筋肉を分解したいときに起きます。

筋肉を分解して糖を得たいのは低血糖のときです。

低血糖が起きるのは副腎疲労疲弊機でコルチゾールが出せないときです。

副腎疲労で低血糖になっていて、まともな補食をせずにアドレナリンなどで筋肉の分解をしたら、ALTは消費され続けます。

高用量のB6を補充しても、ALTの合成が間に合わなくなるのです。

予想が合っていても、対応が間違っている

では「B6が不足しているからALTが低くなる」という生化学的な予測に意味は無いのでしょうか?

そんなことはありません。

ALTの合成に必要なB6を摂取することは必要です。

しかしサプリで大量に摂ればALTが増えるというわけではないということです。

B6不足しているというより、低血糖でALTの消費が激しい状態だからALTの数値が低くなるのです。

ALTがB6と関わっているという生化学的な予想までは良かったのですが、対応の方向性が誤っていたのです。

『分子栄養学』と『栄養学』では情報が作られるまでの過程が異なる

分子栄養学では、生化学的な予測から摂取すべき栄養素を割り出します。

だから実際に予想の通りになるのかは、わかりません。

一方、国が発表している栄養素の摂取基準は、大規模な統計で割り出されています。

だから大きく的を外れることは無いのですが、その摂取基準では体調が良くならない人がいます。

摂取基準の通りの栄養摂取で良くならない人は、栄養の問題を抱えているのに普通の病院に行き原因不明と言われたり、精神疾患扱いを受けることがあります。

そこで必要なのが分子栄養学です。

統計的な手法ではわからない不調の原因を、生化学的な予想で解決しようとします。

しかしその予想が的外れであったとき、ただの机上の空論になってしまう恐れがあるのが分子栄養学です。

ALTが低いとB6不足というのは、たくさんの有名な先生が言い続けた通説となっています。

しかし、一向に誤りだったという修正の報告はありません。

実際に体調が改善しない方法が、まかり通っているのです。

そして今日も、その間違った方法高額な講座で教え続けています。

間違いを正せない5つの理由

これにはいくつかの原因が考えられます。

①クリニックやカウンセラーは、提携先や自社開発のB6のサプリを売った方が儲かる
(もしくはアフィリエイト収入が入る)

②症例を見ていないので机上の空論を信じ続けている

③理論に誤りが無いと信じ切っていて、クライアントの心理に問題があると言い出す

④通説以外の身体の仕組みを予測する能力が無い

⑤間違いを認めると既得権益を失うことになる

間違いを認められない理由は①~⑤のどれかだと思います。

どの番号にも共通のことですが、その方法で良くならないという事実があるなら、ゴリ押しせずに原因を考えるべきです。

残酷な分子栄養学

分子栄養学には強い力があります。

統計的な栄養摂取の方法や、標準治療の病院で解決できない不調を改善してきた実績があります。

しかし一歩間違えると机上の空論になり、体調が改善しなかったり、却って不調になることもあります。

そうならないためには、より深い生化学の知識や、その他のジャンルの多角的な視点が必要となります。

また、安全性が高い方法なのかを確認しながら発表しなくてはなりません。

極端な話、99人が元気になり1人が死んでしまう方法だと発表してはならないのです。

今までの栄養学や標準治療では解決できなかった体調不良を改善する力がある一方、提唱者の理論に誤りがあれば人々の健康を害してしまう可能性があるのが分子栄養学です。

健康被害が無かったとしても、間違った理論に基づき不必要なサプリを買っていたら大金を失います。

他の方法では健康になれなかった人を救う可能性がある一方、提唱者の理論に間違いがあり、それを信じてしまうと健康と大金を失ってしまうのが分子栄養学の残酷さです。

私の分子栄養学への想い

セミナーを主催してALTについて教えた人は儲かってます。

サプリを販売したクリニックと、サプリを製造したメーカーも儲かっています。

痛い思いをしたのは体調不良で困っている当事者だけです。

私はそれを見ているのが本当に辛いです。

「もっと良い方法があるのに」

「どうしてこれだけ配信しているのに、騙される人が減らないの」

SNSを見る度に、こんな気持ちになります。

だからSNSで強めの言葉で注意喚起してしまうことがあります。

そういった言葉を見た人から「マウントを取っている」とか「排他的だ」とか心無いことを言われることもあります。

しかし、団体や個人を陥れたいという気持ちではないことはわかってください。

体調不良で苦しんでいる人を、これ以上追い詰めないで貰いたいだけなのです。

体調不良だとお金を稼げません。

だからなけなしのお金でサプリを買います。かつての私もそうでした。

そんな一縷の望みを掛けて購入したサプリに、意味が無かったなんて思って欲しく無いのです。

団体に自浄機能は働きません。

団体にとって1円にもならない個人の主張の方が妥当だとしたら、団体はそれを黙殺したいのです。

そして自分たちのやってることが何の解決にもならないとわかっていても、それをゴリ押しして教え続けるのです。

自分たちの儲けにならない人物の主張の方が妥当だと間違いを認めてしまったら、自分たちの食い扶持を潰すことになるのです。

だから絶対に間違いを認めません。

そういう考え方だから栄養で治らない理由は心理にあると言って、新しいビジネスを始めるのです。

体調が悪くて心が弱っている人に対して「あなたは考え方に問題がある。心理を学ばないと体調が良くなりません」と脅迫したら、当事者は信じてしまうでしょう。

しかし、そんな滅茶苦茶な理屈を真に受ける必要はありません。

栄養で治らなかったら、栄養の理論に間違いが無いか確認するのが分子栄養学のプロだと思います。

栄養療法はビジネスであってはなりません。

体調不良を改善する方法を追求する学問です。

しかし分子栄養学の個人や団体が既得権益を持ってしまうと、それは学問の探求とはかけ離れてしまいます。

そうならないように、個々が独自に学ぶ姿勢を貫いて欲しいのです。

言われるがままに、教義を教え込まれて喜ぶ信者ではダメなのです。

1つ1つの情報を検証して、間違いが無いか確認してください。

それをするだけで大きな間違いを犯さずに済みます。

そして身体の仕組みを勉強しましょう。

生化学や生理学などの基本的な内容だけでも大丈夫です。

それを知っているだけで、騙される確率が格段に下がります。

教科書的な知識が自分を守るのです。

相手の教える通りに学ぶのではなく、自分が体調を改善する上で必要だと判断したものを吸収して、問題解決をしていくのが自立した栄養療法です。

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