サプリメントは不自然?

サプリメントは 不自然?

サプリメントは不自然だから、なるべく食品から栄養素を摂りたい。

そんな寝ぼけたことをまだ言っているのですか?

その考え、間違ってます。

今からサプリメントを避けた場合のリスクを説明するので、サプリを毛嫌いしている人はよく読んで理解してください。

サプリ嫌いの末路→ サプリを避けるなら、まずはサプリの定義について知らないといけません。

サプリが嫌いな人は、ついうっかりサプリを飲んでしまうことが無いように、サプリとは何か知っておきましょう 。

目次

サプリメントの定義

厚生労働省によると、サプリメントの定義は以下のように説明されています。

サプリメントとは 「特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品」がそれぞれ該当すると考えられています。

しかし、明確定義がないため一般の消費者が認識している健康食品やサプリメントは、通常の食材から、菓子や飲料、医薬品と類似した錠剤・カプセルまで極めて多岐にわたります。

この説明はサプリのイメージそのものだと思いますが、次のような例の場合、食品とサプリを明確に区別することができるのか確かめてみましょう。

ココナッツを例に挙げます。

ココナッツは通常食品として考えられると思います。

木に生えている実をサプリだと思う人は居ないでしょう。

実の部分を押しつぶしたりろ過して、油だけを抽出するとココナッツオイルになります。

ココナッツオイルをサプリだと思う人は少ないと思います。

売り場も調理用油のコーナーであり、サプリメントの棚には無いと思います。

しかしオイルはココナッツの実から、特定の成分を抽出しています。

先程の厚生労働省の『特定成分が濃縮された』と『通常の食材から、飲料まで極めて多岐にわたります』という定義に当てはめれば、ココナッツオイルはサプリかもしれません。

だんだん食品とサプリの定義が曖昧になってきたのがわかると思います。

ココナッツオイルから、更に特定の成分だけを抽出したのがMCTオイルです。

MCTは炭素数が8と10の中鎖脂肪酸だけを抽出した製品が多いです。

でも、それを瓶に入れているとスーパーでは食品コーナーに売っています。

そしてカプセルに入れていると、iHerbではサプリとして販売されています。

同じ分子構造の物が、瓶に入れると食品

カプセルに入れるとサプリ。

このような分類になっているという認識の人が多いのではないでしょうか?

ということは、サプリと食品の分類は分子構造の違いではなく、見た目の形態ということでしょうか?

サプリか食品かという分類は、とても主観的なものだということがわかります。

そしてMCTオイルを更に精製してC8のみにしてエネルギーを作りやすくしたり、粉末化して使いやすくした製品もあります。

これはサプリとして販売される場合が多いと思います。

抽出・精製の段階を繰り返すと食品からサプリに定義が変わったと認識している人が多いということです。

しかし私はC8のパウダーを味噌汁に入れることがあります。

この使い方は普通は調味料として想定されるものであり、サプリではないはずです。

では、使う人の使い方で食品かサプリが決まるのでしょうか?

個人的にはこの考え方が腑に落ちるのですが、万人に共通する認識として共有しづらい概念になります。

ココナッツオイルの加工度による分類を表にしました。

その他のオイルやサプリにも使える概念なので、自分が食品とサプリの線引きをどのように行っているか確認してみましょう。

分子構造が全く一緒なのに合成は避けるべきと思い、加工段階で構造が壊れたり、記載の量が含まれない天然型のビタミンCを摂取している人は耳の痛い話だと思います。

境界線の認識

先日、こんなアンケートを取りました。

あなたにとってどこからがサプリですか?

番号で教えてください。

  • 野菜の小松菜
  • 野菜の小松菜をフリーズドライした粉末
  • ②の粉末を錠剤に固める
  • ③から目当ての栄養素だけを抜き出す
  • ④と同じ栄養素を合成した錠剤

案の定、回答が割れました。

  • 0名
  • 8名
  • 7名
  • 6名
  • 0名

つまり、食品かサプリかという分類に明確な線引は無く、極めて主観的なものだということがわかります。

自分がサプリだと思ったものはサプリ。

そして自分がサプリだと思ったものは不自然だからなるべく摂りたくない。

このような考えに至っている人がいるとしたら、その人は賢明な選択ができていると言えるでしょうか?

自分の思い込みで選択の幅を狭めていて、得られる健康を放棄しているとしたら損です。

しかし、使用法の難しいサプリから距離を置くことで健康被害を受けるリスクや、金銭的な損失を避けることができます。

自分はほどほどの結果を出せば良いよ。

ほどほどの健康で良い。

不調があっても標準治療の病院に行って治らなかったら諦める。

そんな考えの人なら分子栄養学に興味を持たなくて良いので、ご自分の思想信条に合致する生き方を貫けば良いと思います。

しかし分子栄養学で体調を良くしようとしているのに、なるべくサプリに頼りたくない。

栄養素は自然な食品から摂取したいと思っているなら考えを改めた方が結果を出しやすいです。

サプリを毛嫌いする人の特徴

サプリを毛嫌いする人には、以下のような特徴があると感じています。

  • 有機化学の勉強が不足していて、物質が出来上がる経緯の知識に乏しい
  • 論理的に考えるのが苦手で、自分の主観で物事を決めることが多い
  • ナチュラル、自然、男らしさなど、抽象的なイメージが好きで、価値判断の基準となっているが、理責めされるとボロが出る

要するに、明確な説明はできず、なんとなくサプリが嫌で避けているということです。

自分が知っている事は自然で、自分が知らないことは不自然。

製造工程を思い浮かべられるものは食品、そうでないものはサプリ。

そのような主観的な視点で物事を考えている人も居るように感じます。

過去に使ったあるけど、効果を得られずお金を損しただけとか、体調を崩したことがあるという方もいるかもしれません。

しかしそれはサプリが悪いのではなく、使い方が悪かった場合がほとんどです。

サプリ自体に問題があって損失を被ったことがあるという理由なら、食品でも問題は発生します。

有機野菜の寄生虫、慣行栽培の野菜の農薬、魚の水銀、家畜のホルモン剤や抗生物質、その他の汚染や食中毒。

これらの食品におけるリスクはサプリでは少なくなります。 成分を抽出・精製すれば不純物は取り除かれます。

信頼できるサプリのメーカーを探す努力や、サプリの使い方の知識が不足している自分の能力に問題があるのであって、サプリが悪いわけではありません。

分子栄養学の向き不向き

世の中にはいろんな考えがあっても良いと思います。

「サプリに頼って結果を出すなんて女々しい」と考えるスポーツ選手もいるそうです。

高貴な精神性を保つことで競技で結果を得やすいなら、それも良いと思います。

しかし単なる勉強不足による思い込みで実力を発揮できないなら、それはとてももったいないことです。

分子栄養学を行う人も一緒です。

分子栄養学は、ガチガチに論理的な方法で体調の改善を目指す方法です。

それを実践しようとする人が、明確に線引きできない食品とサプリに変なこだわりを持ち、サプリは不自然だからなるべく避けたい、減らしたいなんて言うのなら、分子栄養学は止めた方が良いです。

感覚で物事を決めるタイプに分子栄養学は向きません。

興味を持つのは結構なのですが、結果を出せずに逆恨みして去っていくことが多い印象です。

分子栄養学で結果を出せる人は、論理的な思考ができる人です。

私は感覚派だけど分子で健康になったという人が居たら、それは不摂生で不調になってから生活を改めただけであり、高いレベルの分子栄養学的な思考ができているとは言えません。

理想のサプリの使い方

先日、妻が美容院に出かけるときのこと。

朝起きたのが遅くなったので、朝食を自宅で食べていくのが難しい時間が近づいていました。

しかしこれから髪を切って、4時間は食事ができなくなるということでした。

10分で完成して、4時間後まで妻が元気に過ごせる朝食を作る。

それが私に与えられた使命です。

そこで以下のメニューを作成しました。

  • 卵焼きに小松菜のパウダーを入れて、野菜不足をある程度解消
  • ご飯にMCTオイルをかけて、糖質だけではなく脂質のエネルギーを確保
  • 昨日の味噌汁を温め直して、野菜と塩分を確保。お魚コラーゲンを入れてたんぱく質も補充。

卵焼きをご飯に乗せて早く食べられるようにしました。

そしてMCTにより脂質代謝を高めているので、中鎖脂肪酸以外の脂肪酸も血中に流れやすくなると予想して、それが細胞に取り込まれやすいようにカルニチンの粉末を用意しました。

カルニチンは酸っぱいので、妻が好きなシークワーサージュースで割りました。

そして細胞内に取り込んだ糖質と脂肪酸が効率よくATPとなるように、ドクターズサプリ品質のビタミンBのサプリを1つ小皿に出して献立の完成です。

『朝食に使用した食品・サプリのまとめ』

  • 白米 ・MCTオイル
  • 卵を焼いた無臭のココナッツオイル
  • 小松菜パウダー
  • 野菜の味噌汁
  • カルニチン粉末
  • シークワーサー原液
  • ビタミンB

私はこの朝食を作るときに、食品かサプリかという線引を考えていません。

目的は妻が次の食事のタイミングまで何も食べなくても元気に過ごせる献立を作ることです。

あなたが食品やサプリを口にするときも、なりたい自分を作るために最適な分子を身体に取り込むという目的であれば、食品とサプリを分けるこだわりが無くなると思います。

おわりに

今回紹介したサプリの使い方は、1つの例に過ぎません。

他にもさまざまな最適なサプリの使い方があります。

それを考えていくのが分子栄養学です。

何かのこだわりを持って選択肢の幅を狭めてしまうと、得られるはずだった健康を失い、その健康状態で成し遂げれた人生の目標を達成できないまま終わってしまう可能性があるということだけは、覚えておいてください。

しかし、このように論理的な解説を見ても自分は主観で物事を決めていきたいというのであれば、分子栄養学に興味を持たれない方が良いと思います。

冷たいように感じる人も居るかもしれないですが、向いていない人が分子栄養学をすると後から後悔すると思います。

サプリ代で余計なお金を失ったり、理屈を理解できなかったため結果を出せず、分子栄養学に騙されたという感想を持つ人もいます。

分子栄養学に携わる人間として、分子栄養学を知れて良かったと思える人を応援したいし、後悔する人は最初からやらないで頂きたいです。

お互いに後から嫌な気持ちにならないように、分子栄養学には向き不向きがあるということを、知っておいて頂きたいです。

そして分子栄養学に向く人とは、自主的に問題解決ができて、論理的な思考ができる人です。

それができる人にだけ、力を貸したいと思います。

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